長い歯列矯正治療のゴールが見えてくると、早く装置を外したいという気持ちが先行しがちです。しかし、一度装置を外してしまえば、そこから大きな修正を加えるのは容易ではありません。満足のいく結果で治療を終えるために、そして「もっとこうしておけば良かった」と後悔しないために、最終段階であなた自身が確認し、医師と共有しておくべきことがあります。まず、鏡を手に取り、ご自身の歯並びをじっくりと観察してみてください。そして、気になるところがあれば、どんな些細なことでも遠慮なく医師に伝えましょう。「前歯の先端の高さが少しだけ揃っていない気がする」「ここの歯の隙間がまだ少し気になる」といった具体的な指摘が重要です。専門家である医師は客観的な基準で最良の状態を目指していますが、あなた自身が主観的にどう感じるかも、治療の満足度を左右する大切な要素です。次に、噛み合わせについても意識を向けてみてください。食事の際に左右で均等に噛めているか、特定の歯だけが強く当たるような違和感はないか、顎の動きはスムーズかなどを確認します。もし何か不具合を感じるようであれば、それも必ず伝えましょう。機能的に問題のない安定した噛み合わせは、審美性と同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。また、顔全体のバランスとの調和も確認したいポイントです。特に、上下の歯の真ん中(正中線)が、顔の中心と合っているかは、笑顔の印象を大きく左右します。もしズレが気になる場合は、改善の余地があるか医師に相談してみてください。そして最後に、装置が外れた後の「保定期間」の重要性について、改めて説明を受け、理解を深めておくことが不可欠です。どんなに完璧に歯を並べても、その後のリテーナーの使用を怠れば、歯は元の位置に戻ろうとします。長い治療の努力を無にしないためにも、保定への覚悟をここで新たにしておきましょう。最終段階は、医師任せにするのではなく、あなた自身が治療の主役として積極的に関わっていく最後のチャンスなのです。
矯正治療の最後に後悔しないための最終確認リスト